キャットフードはどう選ぶ?

タイ産キャットフード

タイ産ペットフード

日本の有名な企業やブランドのものでもよく見かけますが、シーフードベースのウェットキャットフードにタイ産が多いのはなぜでしょうか?
それは人間の食べるシーチキンなどの缶詰にタイ産が多いことと関係しています。
タイは原料となる小型マグロなどの漁獲量が多く、人件費が安いため水産加工業が盛んです。

生産の効率化

人間用食品とキャットフードは、一つの工場で生産されます。
まずは人間用の食品として魚を加工し、その後に出る血合いや赤身を、猫用のウェットフードの材料として再利用します。
人間用食品に使用しない魚の部分を破棄することなくキャットフードを作れば、コストを抑えられますし一石二鳥で効率がいいんですね。

人権問題と労働環境

ところが、人間用食品とキャットフードを生産し、日本やアメリカのみならず世界中に漁業資源を流通させているタイの水産最大手企業が、労働奴隷を行っていると昨年大きな問題になりました。
労働奴隷を行っていると知っていたにもかかわらず、その企業から輸入した加工品をキャットフードの原材料に使用したとして、消費者から食品大手企業が集団訴訟を起こされています。

労働奴隷の被害者たちはタイより貧しい近隣のミャンマーやカンボジアから人身売買されてやって来ることが多く、漁船の船長に売られ、訴状によると船長のもとで約20時間に及ぶ長時間の過酷な労働を強いられます。
賃金はほとんど支払われないか、全く支払われないことも。
仕事が間に合わないと暴力を振るわれたり、殺されたりすることもあるとしています。
同じアジアで未だにこのような状況が続いているというのには驚きです。

アメリカ・オバマ大統領は、国際的な取り組みと協調する形で、東南アジアで行われている強制労働による水産物の輸入を拒否する法律に署名する意向を固めたということです。

こういった問題はキャットフードを購入する私たちにとっても、無関係ではありません。
働く人たちの労働環境すら整備されていない企業の食品の衛生管理が、充分に行き届いているとは思えません。
それに、こういった問題のある企業の製品を、何も知らないまま購入し続けることも、同じ罪といえるのではないでしょうか。